サーバーについての事例です。

広告業者様からのご依頼でした。
現在利用中のPCサーバーについて、以下のような不満を持たれていました。
①動画編集時などの動作が遅い。
②外部からのアクセスができない。
③アクセス制限がかけられない。（よくわからない）

現状を見せていただいた結果、以下のようなことがわかりました。
①PCサーバーはWIMDOWS使用。
②社内ネットワーク、インターネットは1Gbps。
③無線LANでほとんどのPCがアクセスされており、最大速度は1.7Gbps

打ち合わせの結果、以下のような仕様となりました。

要件①
動画作成の高速なSSDと大容量HDDを併存させ、HDDはRAID5として高速化と信頼性を両立。

要件②
社外からのアクセスが可能であること。アクセス制限が可能であること。

要件③
社内のネットワークも同時に改善すること。ユーザーの初期登録をしてすぐ使えること。

これらに追加し、以下の機能を利用可能にしています。

・社内用チャットシステム
・動画、写真関連機能
・バックアップ設定
・ローカルPCとサーバーの同期
・外部ユーザーによるファイルのダウンロードアップロード

今回は高機能NASでサーバーおよびネットワークを以下のように構成しました。
容量は動画編集用４B×１、データ保存用8TB×４（RAID５なので容量は３台分）
10Gbps対応、ハブも10Gbps対応とし、ルーターとの間を対応ケーブルで接続する。

※RAIDはデータ保護のための技術で、SSDやHDDを複数使い、データを分散して保存することにより、故障等によるデータ消失を防ぐ技術です。RAID５は信頼性と同時に高速性を両立できる技術です。

１ギガバイトのファイルの移動に数分～数十分が数秒で可能になりました。
外部からのアクセスや役職者のフォルダへのアクセス制限は実施しております。
○○ファイル便等の利用もほぼ不要となりセキュリティ面も向上します。

簡単ながらサーバーの最低限の管理に必要なマニュアルを同時に納品。
広告業界ということで①生成AIを含む知的財産侵害をしないための講義②BCPとITの二つの講義を付属して総額で100万円を下回っています。

実際の利用シーンでは、サーバー上の1GBのファイルをSSDから数秒で読み込み、編集後に数秒で保存することにより動画や高解像度のグラフィック編集を快適に行い、保存することが可能です。
HDDは全部で一つの共有フォルダを構成し、4台中1台に故障が発生してもその機能を保つことが可能。20TB以上の容量を確保するとともにバックアップを使用することによりファイルの削除等に対応します。

また、ホットスワップという機能に対応しており、動作中にも故障したHDD等の交換が可能になっています。これにより、忙しい時に故障が発生した場合でもそのまま使い続けることができます。

このサーバーと同様の機能をシステム会社のがっちりしたタワー型のサーバーで作成したら、総額で200～300万円か、それ以上になるでしょう。ただ、それほどの汎用性や絶対性能は多くの中小企業では不要なことも多いのです。こういった選択肢もあるのだ、ということで。

こちらのサーバーはNASと呼ばれるファイルサーバー専用の簡易サーバーから発展したものです。高性能化、高機能化により多くの機能を提供できるものになっています。今までPCの共有フォルダでデータ共有をしていた企業様や、通常のファイルサーバーに毎月数万円のリース料金を払っているような場合、その置き換えの有力な選択肢となるでしょう。

拡張性もあり、今後数年間はディスクの増設での容量強化、メモリ増設、読み書き高速化などで業務を助けてくれることと思います。

チャットやweb会議システム対応で、もしかしたらグループウエアやZOOM費用も減らせるかもしれない。最近のNASはすごいのですよ。私自身びっくりするくらい進化していました。

なお、上記仕様で安いところで探しても、部品代だけで40万円近くするのです。一式揃えることができるお店では55万円という見積もりでした（汗）。この数年で部品の値段も二割から三割ほども上がってしまっており、うかつに見積額を口にできないですね（大汗）。