私、加藤が今まで見てきたところ、中小企業のサーバーはほとんどが単なるファイルサーバーでした。ごく稀にwebサーバーを兼ねているという形です。
そして、中小企業のサーバーはかなりが、古くなったPCをファイル置き場として共有している状態かと思います。
そうでない、ちゃんとしたサーバーを設置している場合ムダにオカネを払っている可能性が高いです。悲しい現実に行き着いてしまいました。
数年前、私がCAD/CAM担当者としてデータの格納に苦しんでいたときのこと。サーバーの容量が限界近くに達しており、容量の確保に四苦八苦していました。
現場用サーバーの見積を試しにとったところ、随分高額な見積でした。24時間監視とか、webサーバー機能とかついていたのです。人の生命や即時性を必要とする緊急対応でもないのに24時間監視が必用なのでしょうか。
ログの保存やディスク使用状況のレポートなどを入れてくれ、といといったところ、それだけで10万円の見積となりました。
月額で5万円以上の7年リースでしたから、年間60万円、総額でいうと400万円以上となります。
結局、私は会社に言って予算を出してもらい、合計金額20万円強で容量で数倍、外部からのアクセス可能なファイルサーバーを作成することができました。
なんと、費用にして二十分の一程度で実現できてしまいました。システム会社の提案してきた24時間監視こそないものの、HDDの健康状態を監視し、パラメータが基準値を上回った時点でメールで管理者に通知がされる、RAID5(データ保護の技術で信頼性と高速性を両立できる)により高速化と安全性の両立がされたシステムとすることができたと考えています。
さて、ここで考えなくていけないのは、300万円もするサーバーが本当に必要か、ということです。
あらためて申し上げますが、中小企業のサーバーの用途はほとんどはファイルサーバー、つまりデータ置き場です。重要ではあっても、生命に関係するようなものではありません。
24時間監視は必用でしょうか? RAIDやバックアップ等での安全策をとっていれば24時間監視までは必要ない場合が多いと思います。
webサーバーについてです。一般にレンタルサーバーはバックアップもしっかりしており、冗長性もあることからダウン時間は比較的小さく、現在は企業内でwebサーバーを持つメリットはほとんどない状態です。
これ以外の場合はデータベースや解析等専門性のある作業をしていると思われますので、その場合はシステム会社の提案するサーバーを利用する価値があると言えるかと思われます。
上記を踏まえると、システム会社の提案するサーバーが向いている会社、向いていない会社ははっきりとしています。
システム会社のサーバーが向いている会社
ファイルサーバー、webサーバー以外の機能を必要としている。
生命や金融等の特に正確性、即時性、安全性を必要とする業務に利用している。
安価なサーバーが向いている会社
webサーバーやファイルサーバーにしか使っていない。
生命や金融等、特に正確性、即時性を必要とするわけではない。
費用を抑えたい。
ここでいう安価なサーバーは主にNASサーバーのことを指します。
もともとはネットワークにつながるHDDのような位置づけでしたが、最近では高性能化、多機能化しており、驚くほどの機能があります。
ところでですが、もちろんシステム会社全部がオーバースペックな見積もりを出してくるわけではありません。私が想定したレベルの見積もりをくれた会社もありました。私が先ほどの高額な見積もりについて話すと、「我々の営業力が足りなくて・・・」と苦笑していました。