🔌 電気が通る、不思議な“竹炭”
みなさん、「竹炭が電気を通す」と聞いたことはありますか?
竹炭は、実は微細な導電性を持つ天然素材です。一般的には消臭や調湿に使われることが多いですが、細かく砕いて微粒子化することで、「導電性フィラー」としても使えることがわかってきました。
この竹炭をベースに、再成形できる樹脂や油脂、粘土などの素材と組み合わせて作られたのが、今回ご紹介する「竹炭導電樹脂」です。

🧪 竹炭導電樹脂って、どんなもの?
この素材は一見、黒っぽい柔らかいシートや粘土のようなもの。でも、そこにLEDなどの電子部品を差し込むと、ちゃんと電気が流れるんです!
しかも、以下のような特徴があります:
- ✅ 加熱で柔らかくなって再成形可能(熱可塑性)
- ✅ 粘土のように手で成形できるタイプもあり(常温可塑性)
- ✅ はんだ不要で回路が組める
- ✅ 食品添加物レベルの素材で構成され、安全性が高い
- ✅ 手で扱えるので、子どもや初心者にもぴったり
💡 どんな場面で使える?
この竹炭導電樹脂は、アイデア次第で様々なシーンに活用できます。
- 🎓 STEAM教育や電子工作の教材
- 🎨 アート作品での光る装飾や音の演出
- 🆘 災害時の簡易回路や応急修理
- 🛠 試作や実験用の柔軟な接続素材
はんだ付けが不要なので、小さな子どもや高齢者でも安心して使えるのが大きな魅力です。
🔬 開発の背景と今後
この素材は、研究・開発の過程で得られたノウハウに基づいて製作されており、一部の構成については現在、特許出願中です。
今後は、量産やDIYキットとしての展開、3Dプリント用フィラメントとしての応用なども見据えています。

🛠 実際に使ってみた!
導電性シートをLEDと電池をつないでみたところ…ちゃんと光る!
また、チューブに封入したタイプでは、ジャンパワイヤを途中から刺しても電気が通るのが面白い。柔軟性があるので、くねくねと曲がってもちゃんと動作します。こちらはまだ試作途中ですが、試作ができたら写真掲載します。
ハンダに比べて低い温度で溶けるので、温度調整のできるハンダごて等を使って加熱、工作も可能です。もちろん、溶けて、固まってもちゃんと通電します。(何度も溶かすと劣化しますが)
手持ちのハンダごては180度までしか下げられないのですが、100度以下での使用も、現在の樹脂では可能です。
📢 おわりに
「竹炭導電樹脂」は、自然素材 × 電子技術のユニークな融合から生まれた、新しい時代の導電素材です。
教育や趣味、災害対応など、もっと自由で安全な電子材料が求められる場面で、これから大きな可能性を広げていくでしょう。
気になった方は、ぜひ一度使ってみてください。未来の電子工作は、“竹から始まる”かもしれません。
なお、欠点もあります。なんといっても、炭の粉でできているので、粘土型は特に手が汚れます。手袋を使うか、あとでよく手を洗う等してください。