CAD作業と健康

CAD担当者が目や手指の不調を訴えることがあります。これは業務上細かい作業を長時間続ける傾向があるためやむを得ない部分があるのですが、放置していると労働災害に発展してしまう可能性もありますので注意が必要です。

一度まとめたいと思っていた内容でもありますので、自分に対する戒めとして書いておきます。

職場のあんぜんサイト:VDT作業[安全衛生キーワード] (mhlw.go.jp)

CAD作業はいわゆるVDT作業(表示機器を使う業務のことです)にあたり、心身に疲労以外にもいろいろな問題を引き起こします。代表的なものが目の疲れですが、以下にリストしてみます。

身体的な問題目の疲れや痛み、首や肩のこりや痛み、腰の疲れや痛み、頭痛、背中の疲れや痛み、腕や手指の疲れ、痛み、etc
精神的な問題抑うつ、倦怠感、etc

一番重要だと言われるのが時間的な区切りを設けて休憩をとることです。また、部屋を明るくする一方で画面の輝度を上げすぎないことなどがあります。

またよく言われることが「よい椅子を使う」ことですね。座面のクッションがしっかりしていること、座面の高さが適正であることは特に重要です。私は作業中には背もたれはあまり使いませんが、疲れたときには背もたれに体重を預けることもあります。背もたれには腰の部分のサポートがあるとよいですね。

なお、私自身も上記のほとんどを経験しています。休憩時間には肩をぐるぐるまわしたり、腰をひねったりの軽い運動はよくしますね。ドライアイも自分で経験したときはびっくりしました。

それでは加藤からオススメの対策を以下に挙げますね。なお、定期的な休憩や軽い運動はあえて入れません。当たり前の事ですよね! また、部屋の明るさもできれば明るくし、かつ一定に保ちましょう。

特に色に関してうるさい仕事の場合は画面に余分な光があたらないようにフードをつけたりも必要になります。

目の疲れなどに対して大き目の画面を使い、可能であれば二つ以上の画面で作業する。 画面の輝度やコントラストを調整して、自分の見やすい設定にする。 作業エリアの周辺の色彩や配置をゴチャゴチャさせない。 必要であれば目薬を用意する。
腰や背中の疲労などに対してクッションのしっかりした椅子を使う。ただし、クッションは柔らかすぎないこと。 腰のサポートクッションを使う。なるべく背筋を伸ばす。
手や指の痛みに対してパームレストなどのサポート器具を使う。 多ボタンマウスやショートカットキーなどを使って操作を減らす。 左手用マウスを併用するなどして右手の負担を減らす。
その他可能であればスタンディングディスクも併用できるとよい。

私の場合は、①デュアルディスプレイ②多ボタンマウス③ショートカットキー④パームレスト⑤クッションのある椅子を利用しています。また、足元にペダル式のボタンを用意し、ダブルクリック等の操作を割り当ててマウスの基本ボタン操作は足でもできるようにしています。

なお、労働環境等については厚生労働省や労働基準監督署などのサイトをご確認下さい。部屋の明るさなどについても一定の基準があり、それを守っていないと注意されたりする可能性もあります。

労働安全衛生規則第604条では精密な作業300Lx以上、普通の作業150Lx以上、粗な作業70Lx以上となっているそうですが、これはもともとがかなり古い基準だったと記憶しています。この手の基準は日本の工業水準がかなり低い時代に作られたまま廃止、変更がされていない場合があるのです。

現在照明設計者が準拠する規格はJIS Z9110だそう です。事務所(a)営業室、設計室、玄関ホールなどが750Lx~1,500Lx、事務所(b)役員室、会議室、電算機室等が300Lx~750Lxで、最低値のときが照明機器の寿命のときの明るさを想定しているようですね。

病院などでも手術室などが事務所(a)相当で一番明るくなり、ほかの主な施設が事務所(b)相当、例外的に明るいのが視力検査などの部屋で、5000Lx~10000Lxだそうです。

もし自社の各部屋の明るさを求めたい場合、照度計を使うのが一番ですが、簡易的に測定したい場合はカメラの自動露出で表示されるEV値やシャッター速度、絞りの値などから計算することも可能です。こちらはネット上にも情報があったと記憶していますが、今現在はありませんね(汗)。

調べればここでその情報を書くこともできるのですが、ちょっと今は時間が足りません。どこかで調べて追記するようにしましょうか。

ううむ。昔、私はカメラの露出計から当時の勤め先の作業場の照度を確認したのです。ISO9001の導入に伴い、労働環境の確認をしたときのことでした。一時的な使用ですので照度計を購入するのはもったいないと考えたので、当時趣味にしていたカメラの露出計を使い、表計算ソフトで自動計算するようにしていました。しかし、そのものズバリを教えてくれるサイトが見つからないとは……。

しかしご安心あれ。現在ではスマホアプリの照度センサーを使って簡易的な露出計アプリがあり、これにはちゃんと照度が出てくるようになっています。スマホ、万能ですねー。ぜひ検索してみてください。

このように考えて作業環境を整えていけば、比較的疲れづらいデスク周りを構築できるかと思います。

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