試作、開発関連業務

試作といえば3Dプリンタというイメージが定着してしまいました。
しかし、本当にそれで試作が完結できるかというと、必ずしもそうではありません。
3Dプリント品を使う場合でも、精度や材質などいろいろな知識やノウハウが必要なのです。
当事務所では試作や開発の段階や要求される機能などに応じたポイントを押さえた試作、開発を提案していきます。

開発とはスピードとの戦いです。
開発が6か月遅延すると、利益の33パーセントが失われるそうです。
しかし、開発費用が50パーセント超過しても、遅延さえなければ逸失利益は4パーセントとなるといいます。
つまり、開発については基本的に速度重視とするべきなのです。
製品によっては競合製品が先に発売されてしまうと存在意義がなくなってしまうことすらあります。
開発費用だけでなく量産にかかったオカネまで全てが負債になってしまう可能性があるわけです。
加藤今北事務所は迅速な開発や試作についてサポートし、最短でのプロジェクト完遂を目指します。

なお、当事務所で独自に設計、開発を進めている案件もございます。主に費用の問題でストップしているものです。
もし共同開発してみたい、等ありましたらお声がけください。

概要 具体的内容 価格表等 独自開発アイテム 試作開発の実績紹介


試作開発支援のイメージ

項目
内容
図面、
3Dデータの作成
すでにある図面やメモから図面や3Dデータを作成。
目的にあわせてのデータの修正
ゼロからのデータ作成にも対応します。
極端な話、現物写真からでも作成に対応します。
設計案や
改良案の提案
現在お困りの案件に対しての提案を行います。
すでにあるメモなどから具体的な設計案や、すでに設計案がある場合は改良案を提案します。
可動部分がある製品についても機構を含めご相談いただくことが可能です。
どのような部品が適切かわからない、というような場合も調べてお知らせいたします。
構想設計からの
お手伝い

作りたいモノに対して、どんな仕様が必要かわからないような場合もお手伝い可能。
コンセプトに対してどのようなアプローチが可能であるかの提案
材料や機構、ソフトウエア、部品にどのようなものが使えるかの考察
手持ちの機材や技術でどのような製品が考えられるかの提案。
金属加工、樹脂加工、電子部品やその基板、システム開発などまで含めての紹介
※事務機器、医療、自動車やバイク等が多いですが玩具、食品、建築等なんでもご相談ください。

試作開発業務全般支援 試作開発全般における総合的な支援を提供します。
相談、調査やIT活用のツールの提供も含み、開発全般のスピード化、システム化、明確化を提案します。
・開発工程の道筋を明確にする。
・今やるべき業務など、開発の過程の切り分け
・問題点を切り分け、現段階でやるべきことは何かを提案する。
・試作業務の工程の必要精度の切り分けによる時間やコストの低減
・テスト内容に関係ない形状の省略によるコストや時間の低減
・精度や機能等が同等で安価、または入手性の高い部材の提案
・代替工法の提案など「どの部品を、どのような内容で、どうやって作るか」についての提案
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概要 具体的内容 価格表等

支援の具体的内容

項目 具体的内容 実務支援
設計業務支援 構想設計、必要機能等の選定
設計のレビュー、検証、妥当性の確認
3D-CADデータ、図面等の作成支援
破損データの修復等の支援
内蔵ソフトウエアの構想設計
システムソフトウエアの構想設計
構造の簡易化、強度の確保等の助言
CATIA V5/V6、SOLIDWORKS、WorkNC
上記ソフトウエアは直接現場の端末での支援可能な場合あり。
持ち帰りではソリッドCAD、サーフェスCAD使用可能
試作、測定業務支援
試作工法、量産工法の選定支援
試作品の評価、設計へのフィードバック
現物からの3Dデータ取り込み
加工後の現物データのCADデータへの反映
3Dプリント品の作成
試作品等の測定、評価支援
試作品とCADデータとの比較
測定結果の検証

3Dプリント品の作成
3Dスキャナによる小型品のCADとの比較測定
試作開発事務支援
議事録等作成
QMS対応書類作成
QMS対応書類管理
電子データ管理
知財関連業務
開発業務進行
設計レビュー等の議事録
ISO9001(JIS Q 9001)関連業務

概要 具体的内容 価格表等

試作開発支援価格表

項目
内容
価格
スポット契約
1ヶ月から可能。
2回~4回程度の訪問+持ち帰りでの助言および情報提供。
問題の内容によっては直接的な実務支援も可能。
上記サービスから選択可能
10万円+税~
業務量や支援の内容により変化します。
富士市、富士宮市以外では交通費等実費請求
顧問契約 3ヶ月から可能。
上記サービスに加え、下表のサービスを提供
1ヶ月あたり3万円+税~
富士市、富士宮市以外では交通費等実費請求

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顧問契約によるサービス
サービス名 内容
会社訪問 月一回程度訪問し、問題やご要望について伺います。
一部のご要望や問題については直接的な実務での支援も可能です。
会社プロフィール作成

一年に一度、会社プロフィールを無償で作成します。
補助金申請の事業計画等に必須とも言えます。
更新がないと、時にウソの書類になってしまうこともあるので注意が必要。
従業員教育 知的財産、個人情報保護などの他、設計、機械加工の基本等の講習会を特別価格で提供します。
一年間に二回程度まで、一回一万円となります。訪問の時間を使います。
例:設計の視点から見たプラスチック部品の主な工法と特徴
例:中小企業の知的財産トラブルの実例と対策
例:終活の前に知っておきたいこと 
情報収集 簡単な知財調査、材料、機械等のほか、様々な公的支援等について情報を提供します。
試作開発支援
試作開発アドバイザーとして様々な業務、工法、材料、開発進行などご要望に応じた支援をします。
業務改善支援
パソコンの使い方等基本的な部分から、ISO9001対応まで支援可能です。
行政書士業務
各種契約書の作成、確認から許認可、補助金等の相談に乗ります。

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独自開発アイテム

当事務所では独自のアイテム開発をするべく調査、設計を進めています。
設計と並行して特許調査を行うため、比較的知財問題は発生しにくいと思われます。
もし経営革新の新規技術、新製品として検討したい等あればご相談ください。共同開発アイテム等として利用可能です。
具体的には秘密保持契約を締結後、知財調査をしていただき、その上でご判断いただくことになります。
現状の知財調査は加藤今北事務所の調査の結果という意味で、先行技術等がないことを保証するものではありません。

技術系アイテム(加藤今北事務所中心で進めることのできるアイテム)

種別 アイテム名 概要 進行状況 知財調査
機械
超小型コンプレッサー
部品数が少なく、容量は小さくても
一般のコンプレッサーと同等の圧力を得る。
試作図面の作成
現状は先行技術問題なし
機械
フライス加工段取測定具
フライス加工の基準だしを一種類の測定工具で
可能にし、安全性や効率を向上させる
構想設計中
現状は先行技術問題なし
独自技術
測定 非接触式測定具 非接触式かつ離れた距離で有効な簡易測定具 構想設計中
製造技術に困難あり
現状は先行技術問題なし
医療、介護
PETボトルオープナー
通常の1/3の力で開けられ、多機能。
意匠権を得られる可能性あり。
一次試作
現状は先行技術問題なし
医療、介護 骨等の切断、穴開け技術 柔組織に影響を与えず、骨だけを切りたい。 調査中 未調査
医療、介護 階段移動の補助具 高齢者の階段移動を助ける簡便な道具 構想中 構想中
医療、介護 タンカになる椅子 折りたたみベンチに担架の機能を付加 構想中 未調査
生花店等向け 携帯用花瓶 携帯性と花持ちがよい携帯用花瓶 構想中 先行技術少なく、回避可能と想定

汎用、または業界をまたぐアイテム

種別
アイテム名
概要
進行状況
知財調査
農業、製菓 平安スイーツの復活と
栽培、採取技術の確立
浅間大社でも使われる甘蔦を現代の技術で栽培、
製造する栽培法の確立など数年がかりの想定。
文献調査 商標等の問題はなさそう。
特許等の可能性もあり
教育
IT技術を利用した
教育システム
主に若い人向けのインターネット利用の研修、教育システム

既存技術、サービスの
鷹揚のため問題なし
プロジェクト 製紙の廃材再利用 富士、富士宮の製紙メーカーの資材をリユース、
リサイクルするシステムを構築する。
用途開発 未調査
測定 非接触式測定具 非接触式かつ離れた距離で有効な簡易測定具 構想設計中
製造技術に困難あり
現状は先行技術問題なし
医療、介護
PETボトルオープナー
通常の1/3の力で開けられ、多機能。
意匠権を得られる可能性あり。
一次試作
現状は先行技術問題なし
医療、介護 骨等の切断、穴開け技術 柔組織に影響を与えず、骨だけを切りたい。 調査中 未調査
医療、介護 階段移動の補助具 高齢者の階段移動を助ける簡便な道具 構想中 構想中
医療、介護 タンカになる椅子 折りたたみベンチに担架の機能を付加 構想設計中 未調査




概要 具体的内容 価格表等 独自開発アイテム 試作開発の実績紹介

試作開発の実績紹介

 当事務所の加藤が開発に関わったヤザキメディカル様のエアーシートが発売されました。
ヤザキメディカル様での公式ページはこちらです。

 技術者としてのプロフィール

 試作メーカーでは自動車量産部品用ジグ、モーターショーや動作確認のための試作品、一部の少量生産の車種の部品などと、特に皇室専用車の内装部品の試作者、および実車用部品、事務機器、航空、家電、医療など様々なジャンル、工法の仕事をしてまいりました。


経験や知識を得た内容
工法 真空注型、真空成形、低圧射出、削り出し、手作業、ブロー成型等
材料 鉄、アルミ、銅、グラファイト、PP、ABS、ウレタン、発泡ウレタン、光硬化樹脂他
機械 三次元測定機、MC、光造型機等、3Dプリンタ、3Dスキャナ
ソフト CATIA V5/V6,SolidWorks,SurfCAM,WorkNC, Rhinoceros,Fusion360等
職務 打ち合わせ、設計、CAD/CAM、測定、MC等

 試作開発アドバイザーと名乗っているものの、今までは試作メーカーなどでの経験は秘密保持の問題もあり、なかなか実績として紹介できるものではありません。
しかしながら、独立前の職場としてお世話になったヤザキ工業様(医療部門であるヤザキメディカル)にて、自社開発製品として関わることができました。
こちらについて、

事例1 ヤザキ工業様 歯周ポケット測定器

 令和元年度の静岡県の経営革新計画の承認を受けた「周病検査時の痛み軽減、出血を抑える歯肉溝 深さ測定器の開発、販売」および静岡県産業振興財団の助成を受けた「歯周病重篤化防止のための歯肉溝深さ無痛測定装置の開発」におけるハードウエア、ソフトウエアの開発です。

 この案件で提示されたのは、おもに以下の要件です。

①歯周ポケット測定器として、歯周ポケットに入ったプローブ(測定部分)の量(移動量)を測定する。
②ペン型で、小型、細身であること。(デザイン性と、使用者に女性も多いことを想定することから)
③電源は乾電池等を用いること。(使い勝手と安全性のため)
④無線機器であること。(使い勝手と安全性のため)
⑤測定データをPC等に転送できること。(省力化、効率化のため)
⑥分解修理可能な構造(部品交換等を可能とするため)
⑦電池交換頻度が少ないこと(使い勝手)
⑧防水性(唾液、血液等による故障、劣化を防ぐ)
⑨単体での自己診断、測定値の表示機能(単体で医療機器として成立するため)
⑩道具なしで電池交換可能(使い勝手)
⑪外観性能(見た目と同時に滑り止め等の機能が必要)
⑫製品寿命5年以上(使用するスイッチ部品の耐久性に関わる)

 これらに対し、動作機構、デザイナーのデザインに合わせた外装設計、ソフトウエア、電子基板の仕様打ち合わせ等をしました。
 事情により中断となってしまいましたが、試作開発全般にわたり、実務部分をほぼ単独で担当させていただいたのはとてもよい経験でした。設計者としてはすべての要件に対して一定の結論を出すことができました。
 設計としては80パーセントほどのところで中断されてしまい、完成に至らなかったのは残念です。しかし、これだけの機能をペン型とするのはとても難易度が高かったのは間違いありません。特に基板や電子部品を依頼した業者さんとは幾度も相談し、基板のイレギュラーな分割などいろいろ相談に乗っていただきました。
 静岡県産業振興財団でのコンペでは、動作が完全ではないものの電子基板や機構を組み込んだものを提出でき、無事に採択されました。
 なお、この案件で最終的に残ってしまった問題が「組み立て難易度が高いこと」。あまりに部品が小さいにも関わらず、ほぼすべての機構部品が分解可能な構造であるため、使用しているネジがM0.8とかM1.0などというものがあり、肉眼で組み立てることかなり難しい状態だったのを記憶しています。微細作業用の特殊なルーペがないと、ネジの頭とドライバーを合わせることすら難しかったです。
 発売までこぎ着けていれば、歯周ポケット測定の大幅な省力化、効率化が可能だったと思えるだけに残念です。でも、勉強になりました。ありがとうございました!


事例2 ヤザキメディカル様 エアーシート(乳幼児用ムレ対策シート)

  赤ちゃんは体温が高いこともあり、抱っこしているとあっという間にムレを感じます。アセモがひどくなることもよく聞きますよね。赤ちゃんはムレが嫌いなため、クルマのチャイルドシートやベビーシートを嫌って泣くことあります。そんな赤ちゃんのためのアイテムです。

 風を赤ちゃんの背中に吹きつけるのではなく、風を通して湿気を運ぶという発想です。
衣服などでもわかりますが、風が直接当たらなくても、風がわずかにでも通っていればムレはないですよね。
風をあてるのではなく、湿気を貯めずに移動させる。そんな優しいコンセプトの製品です。

 エアーシートは赤ちゃんの夏場の大敵、ムレを予防するためのものです。まずは外観をどうぞ。

黒一色なのがちょっと見にくいかもしれません。ごめんなさい。

エアーシートで提示された要件は最終的に以下の通りです。

①空気が通ること
②USB電源駆動
③電池の持ちがいいこと
④リクライニングに対応すること
⑤丈夫で安全性が高いこと。

 途中で一時的に業務を離れておりましたが、最終的な設計としての関わりは七割程度と言えるでしょうか。おもに以下の内容で担当しました。

①リクライニングやベビーカーの折りたたみへの機構としての対応
②量産での材質や工法
③ファンの基本的な仕様
④肉厚の設定、リブ配置
⑤風の通り道の設定
⑥金型業者、量産メーカー向けの最終形状

 それでは、特に苦労した機構部分についての画像をどうぞ。まずは風の通り道です。風の通り道は合計6本で、水平から画像程度の角度まで、無段階で対応できます。赤ちゃんのお尻の形に対応できるよう、座面は三次元的な形状になっています。


 次は、シートの最大角度での状態を横からみたところです。
なんとなくわかると思いますが、通常はこれ以上曲がりません。無理に曲げようとしたら壊れてしまいます。
しかし、エアーシートはベビーカーの折りたたみ機構に対応するため、さらに大きく曲げることができます。
特殊なヒンジ(可動軸)の設定により、およそ135度くらいまで曲げることができるのです!

 これが、以下の角度まで大きく曲がります。けっこうすごいことなんですよ!
 残念ながら全てのベビーカーに対応できるわけではありませんが、かなりのベビーカーでは搭載したまま折りたたみが可能です。
 当初から設計としてかなり苦労した部分ですが、最終的的な量産メーカーとの打ち合わせで細かい変更が入り、いろいろ調整することになりました。
 なにより、特殊すぎて、商社さんも、二か所の量産メーカーさんもちゃんと動作することを信じてくれませんでした(涙)。
 特に、折りたたんだベビーカーを展開する際には自重により本来の軸位置に復帰するのですが、そこを信じてくれる人が誰もいなかったという・・・。
 最終的に3Dプリンタでの試作をしてもらい、ちゃんと動作することを確認でき、先に進めるようになりました。

 背もたれ部分はブロー工法による一体成形。組み立て工数を減らすための工夫です。ファンの入っている座面部分は上下に分割し、インジェクション成形で作られています。
 正式な強度試験ではないですが、社長の奥さんが乗っても大丈夫だったそうですので、体重40kg程度でも大丈夫なようです。

強度については、自動車の内外装の部品の試作の経験が生きています。

 このエアーシートと同様のコンセプトの製品は何種類かありますが、耐久性や強度については特に自信があります。
 また、カバー部分を取り外して洗えたり、もう一枚購入できたりといった清潔さへの対応もポイントです。
 プラスチック部分をアルコールで拭くのはオススメできません。少々であれば問題ありませんが、何度もアルコールで拭いていると劣化の可能性もあります。

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